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【映画】マトリックス・レザレクションズ感想 (後半ネタバレアリ)

感想 (ネタバレなし)

ついに Matrix Resurrections マトリックス・レザレクションズを観てきました!

賛否両論の今作ですが、結論から言うと私にはめちゃくちゃ刺さりました。映像を購入して何度も見返して楽しみたいと思います。

当初は娯楽作品として観ていただけの旧作でしたが、好きな映画なので何度も見返している内に登場人物のネオやトリニティーのことを知らない内に応援するようになっていたんだな、って思います。

そんな思い入れもあって、主人公たちの境遇や自分自身との体験との重ね合わせ、20年の時を経て前作で最後まで引っかかってしまっていた部分を回収してくれたこと、色々と記憶が蘇って、感情が込み上げてきて途中何回も泣きました。。。

管理人のマトリックスオタク度

まだ幼い頃に一作目を観てから独特の世界観やストーリーにハマり、映画、アニメ版、PS2版ゲーム2作、Xbox版のゲーム、一通りは履修済。映画は大好きで何度も見返しています。小学生の時に壁歩きをマネしようとして家の壁を踏み抜いて穴を空けたこともあります。私はマトリックス大好きです、って言える程度には好きだと思います。

オリジナルの三部作は観るべき?

旧三部作は絶対に観てください

物語の核心を成すマトリックス自体の仕組みの説明や登場人物の関係、”前回のあらすじ”などの前提知識がないと今作はほとんど分からない内容になっているため、楽しむためには旧作視聴は必須です。

個人的にはAnimatrix (アニマトリックス、アニメ版)、も観ておいたほうがいいかなと感じました。どうしてこの人達(機械達)はこういう考えに至るの?ご都合主義なのでは?と感じてしまうようなシーンも、アニメ版を観ていると非常に合点が行きます。

Animatrix は有料ではありますが、100分程度ですぐにアマプラで観れるので是非。。。!

今作は結構賛否両論があるので、前作が大好きでもイマイチ、、、と感じてしまう人もいたようです。ただ上記4作品を観ている管理人にとっては最高の一作でした。

人気

公開一週間以内というのにあまり売れていないようです(汗)、少なくとも大ヒットではないと思います。平日の昼ということもあり、10組もいなかったと思います。原作の古さもあるのか今どきあまり流行らないのかもしれませんね、、、宣伝もあまり行われていなくて、もはや好きな人向けに客層を絞ってきた感すら感じます。上等!売上が少なければ何度も劇場に通うまでです。

総評

  • 映像:★★★☆☆:20年の進化を感じますが今どきとしては平凡でした、アツイ実写アクションは健在です。
  • 音楽:★★☆☆☆:元々そこまで好きではないので汗。。。雰囲気は良くあっていました。
  • 脚本:★★★★★:最高でした。ありがとう (T T)号泣
  • 演出:★★★★☆:人によっては蛇足かもしれませんが、ネオの葛藤が良く描かれていました。
  • 登場人物:★★★★★:主人公大好きです。みんな大好きありがとう (T T)号泣
  • おすすめ度:マトリックスが好きな人向けの作品なので、前作を繰り返し観てる人なら感動すると思います。

評価としてはこんな感じで、刺さる人には刺さるかなって思います!

とくかく、まだ旧三部作を観ていなくて、興味がある方は

旧三部作は絶対、できればアニマトリックス(アニメ版)も先に観て下さい!

人によっては全部観ているかどうかで感想も変わると思います。

次の章からはネタバレがあるのでまだ観てない方はここまでで、早く劇場に足を運びましょう!!

考察と感想 (注意:ネタバレあり)

視聴するまでは1話無印の続きなのか、3話レボリューションズの続きなのか敢えて知らない状態で、旧作以外は何もしらない状態で視聴しました。ここを読んでいる方は視聴済と思うのであらすじは割愛して、印象に残った場面や設定の感想を書きます。

序盤とモーフィアスの登場

最初の無印Matrixの再現シーンですが、この時点でレボリューションズの続編を確信しました。”これがあのシーン”というセリフや、時系列をタイムマシンで飛び越えたかのような潜入組の行動。マトリックス世界線にはタイムパラドックスは存在しないため、プログラムの中でも現実世界と同様に時間が流れています。そのためこれは歴史が確立された後、3話のザイオン解放後、ネオの死後の世界でなければあり得ないと感じました。

何度も同じプログラムがループされているという会話で、再現シーンのトリニティーとプログラム版モーフィアスの役者を変えた理由もはっきりします。特にモーフィアスはネオへの思い入れだけは忠実に再現されているみたいですが、性格も別人、派手めのファッションのセンスも真逆です。

スミス登場あたりまで本当にこのモーフィアスは信用できるのか、、、?まさかの全員騙されるどっきりがあったりしないよね??なんて思ってたりもしました。赤い錠剤を飲むセットのシーンの絶妙な胡散臭さや、役者変更、なにか変な感じも相まって少し疑っていました。(最後まで見ると浅はかな推理でしたが、、)

エージェント・スミス

一度滅んだはずなのに、、、なぜ!?(ネオもなぜ!?) 私もそう思いました。でもスミスは倒される直前にネオに入り込んで、その隙を狙われて破壊されたので、ネオの肉体が復活すればスミスも復活する、、、?断片的にネオの中に残っていた。。?のかもしれませんね。

そしてなんかいいやつになってましたよね、欲望に忠実というか、少年心というか。今から思うと彼は最初からエージェントという役割、監獄から脱出したくて、自由を手に入れたかった。そして自分を閉じ込めてきた者たちへの復習を誓っていました。彼は自分にしか興味がないので、ネオがもはや脅威でなくなった以上、潰す必要がなくなったのかもしれません。そして、”礼を言わねばならない。俺を自由にしてくれたのは、、、君だよ”、これは前作でも述べていますが、感謝しているというのは彼の本心のようです。ただ彼は性格上恩は恩で返さない、そういう性格なのだと思いますw

まだ飲み込みきれていない部分もあって何度か視聴して理解を深めたいと思います。

ネオ覚醒シーン

めちゃくちゃ好きなシーンです。自力覚醒で泣いて、連れ去られる直前、トリニティの体が現実世界で反応をするところでまた泣きました(笑)。目覚めた瞬間本当に生きてた!!救世主なのにまた発電所!?約束は!?と色々な思いが頭をよぎったのも束の間、王の間のような豪華な専用ビルでなかなかのVIP待遇だなと思うと同時に、きっと最後の舞台はここなんだろうなって、もう途中から胸熱です。こういう明らかな演出、大好きです^^; 密度が濃かったです。

もうここからはネオ、頑張ってトリニティを救い出して!と応援の気持ちでいっぱいに

特に自力覚醒についてはアニマトリックスで度々触れられるコンセプトで、”ワールド・レコード”や”ザ・キッド”を踏襲していたので、感動が大きかったです。

本題1.: ネオとトリニティの愛、新任の設計者について

瀕死状態になって植物人間状態になってそれでも、60年間もの間ずっと深層心理で消えない愛が存在していたことに、心打たれました。映画では何度も使い古されたコンセプトですが、年月が経っても、記憶が消されても、深層心理では覚えている感情、感覚。深い愛。このようなファンタジーを描いてくれたことに感動しました。カフェでのシーン、バイク工場でのシーン。あと一歩のところで思いが届かない、伝わらない。トリニティが目覚めない。ネオの悔しさとやるせなさを想像しただけで涙が出てきました。絶対に最後は助けられるから、、、ネオ、、、諦めないで!ずっと心の中で応援していました。

前作では、トリニティの命かザイオンか選べと設計者に言われたネオはトリニティを選択しています。しかし実際の行動はむしろザイオンのための自己犠牲、そして最後は自分自身だけでなく、最愛のトリニティも失うことになってしまいました。皮肉なことに最愛の人を優先した結果、ザイオンと人類が救われ、最愛の人は助かりませんでした。

しかし今作では違います。最初から最後まで、ネオはトリニティのことしか眼中にありません。すべてを失ってしまったネオにとって残された最後の希望、生きる意味。機械文明にとっても電力の安定供給のためにはネオとトリニティが二人揃っていなければ達成できず、結果的に再び世界を救うことになってしまいました。ご都合主義の結果オーライと言ってしまえばその通りかもしれません。でも愛に生きる姿はカッコよかったです。

電力のために利用していただけとはいえ、ネオの“もう一度チャンスをくれてありがとう”という言葉は印象深いです。そして今回の新任の設計者は人間の心理学に大変興味があるようです。本当に電力のためだけに利用したのか。。。?情けがあったのか、、?すべてを合理的に効率だけで考え、でもその代わりに約束は守る前任者とあまりに性格が違って機械にも色々といるんだなあ、なんて感心しました。

風刺映画としての側面

映画の中では、フェイスブックやインスタグラムなどが名指しで、”インスタ映え”、”バズ”の象徴として矢玉に挙げられ、洗脳支配の象徴として描かれていました。これに嫌気が指した人は少なくなかったようで、レビューを観てもこの点に対して批判的な意見が見受けられました。

これに対する考え方は個人個人なのかなって思います。かつてテレビが大衆の洗脳に使われたように、今ではその主役はネットメディアやSNSとなり、インフルエンサーや力を持った人たちが、世論操作をしている時代です。誰かの意図が裏にあると理解した上で事実を事実だけとして受け入れるか、誰かの意見までもを自分のものと勘違いしてしまうか。難しい問題だなと感じました。

元々反社会的な監督であっただけに、前作はしょせんはゲームだ、ファンのマトリックスの解釈は表面的で、浅はかだ、と激昂してしまう気持ちも分からなくないかもしれません。

劇中では、自分の頭で判断ができない愚かな民衆のことを”シープル” (羊のような家畜人間)として小馬鹿にしているので、個人的にはあまりに直接的な表現で少し笑ってしまいました。

監督はTwitter上では、マトリックスネタを使って政治主張をするトランプの娘とイーロン・マスクに対して”(映画という芸術を政治の道具に使いやがって)クソ喰らえ!”と噛み付いています。レザレクションズでは姉妹ではなくラーナのほうしか参加していないので、噛み付いているのとは別のほうですが、天才らしく過激な人物なのですね。。。

避難用

ioと新マトリックス

前作では荒廃した現実世界、まるで監獄のようなザイオンでした。これでは目覚めてもマトリックスの仮想現実のほうがまだ良かったと感じてしまう人も無理もないなと思いました。今作ではまだまだギリギリの状態とはいえ、かなり食糧事情や生活水準が改善したようで、このまま復興を頑張ればいつかはまた地上に暮らせる、という希望を抱かせてくれるものでした。マトリックスの世界も以前のような緑色味のかかったスクリーンではなく、もう少し明るい感じだったように感じます。

とはいえ、気楽に外交ができるわけでもなく、まだまだ機械文明には人類反対派もたくさんいるようで、本当の意味での和平への道のりは長いようです。

この辺りの背景や雰囲気がよく描かれていたなと思います。

本題2.:電力事情と機械の内戦

一番の驚きは、ネオの死後、マトリックス脱退志願者のせいで機械文明で内戦が起きるほどの深刻な電力不足に陥ったことです。前作では設計者は”(人類が絶滅した場合)我々も多少の生活水準の低下は受け入れられる”と述べていたので、人体発電以外の動力源として使用している核融合だけでも必要最低限の電力は得られると考えられていました。しかし実際には電力が不足し、機械同士の内戦にまで発展してしまいました。

ここで一定数のマトリックスファンの間で支持されている大胆な仮説があります。

  1. マトリックスの元々の脚本では、人体は発電用でなく、巨大なニューラルネットワークとしてスーパーコンピュータとして使用されているという設定だった。現在では当たり前となったクラウドコンピューティングですが、当時はあまりに斬新なアイデアに観客がついてこれないだろうという杞憂から、発電用に変えようということになったそうです。(元のアイデア通りにしてほしかったですよね、、、!)
  2. ①は実際には実装されなかったものの、そもそも電力が原因で争いが起きたのではなく、イデオロギーの戦いだった。電源として人類が必須というのは人間側の思い込みで実際には必要ない。

つまり、機械文明は電力が不足するからではなく、人間を開放するべきか、閉じ込めておくべきか、そもそも(貿易摩擦による軍事衝突を避けるために、こちら側から和平を申し出ても外交官を拘束した上核兵器で報復してきて、自分達を滅ぼそうとしたような野蛮な)人類に生きる権利はあるのか、という考え方の違いから衝突を起こしていた可能性があります。国境なき医師団のように、自らの生活に危険を追ってまで哀れな人間を助けてくれるシンシエード達がいることからもすべての機械が人間を憎んでいるわけではないことが分かります。

アニマトリックスではこのあたりも描かれていて、奴らか我々か、どっちが先に手を出したか?という歴史の謎に明確な答えを用意してあるので、思想の対立から機械文明の内部で分裂が起きることも不思議ではないように思いました。いえ、むしろ合理的な機械は資源や権力のような俗物的なもので破壊行為はしません。唯一彼らを動かすのは思想でありイデオロギーです。

もちろん資源を巡って争いが起きた可能性は十分あります。機械が議会制を採用している点や愛を理解するプログラムが存在するなど人間と多くの共通点を持つため、例え人間を超越した知能を持っていたとしても、非合理的な選択をして紛争を選んでいた可能性はあります。しかし人類との戦争も集結して100年が経過し、核融合も手に入れ、もはや資源が逼迫する理由もなくなった超高度文明が、ずっと不安定なマトリックスシステムの上に成り立つ人類を主力電源として頼り続けるかは疑問です。

あくまで性善説ですが、敵とはいえ、自分達を作った始祖たる人類を絶滅させてはならない、と知識人達は考えた。そのために、反対派の機械達を説得するために、”核融合一点張りでは危険すぎる。人間は電力のために補助的に必要”と主張し発電所を作り、現実世界でのバックアップとしてザイオンを用意したのではないでしょうか。そしてある程度人口が貯まると“掃除”をすることで、安定運営をしています、と議会なりでアピールしていたのではないでしょうか。という自分内考察です。私にはどうも設計者やマトリックスの運営に関わっている機械達が大変人間臭く、人間をただのバッテリーにしか考えていないような無慈悲な人格には見えなくて、人間の面倒を観ているうちに愛着が湧いてしまった飼育員のように思えました。

エンディング

トリニティの大暴れにちょっと笑ってしまいました。最後のセリフは、ずっと二人の幸せを望んでいたファンにとっての救いだったのではないでしょうか。人類のために死力を尽くして、機械文明までもを救った英雄。ようやく幸せになれたんだって、長い戦いが終わったような気がして、ジーンときました。ずっとこの二人のことを応援してきたんだなって改めて思いました、前作のテーマが信じる力だとすれば今作は永遠の愛、、、なのかもしれません。

エンディングとしては非常に美しくすっきりしていてて、ハッピーエンドに終わって満足できました。そして前作の美しいながらも少し悲しい終わり方に対して救済があったことを嬉しく感じました。預言者が、ネオはきっと生きている、という伏線が20年の時(作中では60年)を経て回収されたかと思うと感無量です。様々な伏線の回収やフラッシュバック、ネオの辛さやトリニティを想う愛の気持ちに共感してしまって何度も泣きました。観る人は選びますが、気に入っても気に入らなくても、マトリックスが好きな人、映画が好きな人なら一度は観てほしい傑作です。

以上マトリックスオタク視点からみたマトリックス・レザレクションズ感想でした!結構映画は観ているのですが、レビュー全然書いてなくてすみません!

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Trude (まきブロ管理人)
街の機械屋さん。多くの人に機械の面白さやエンジニアリングの楽しさを知ってもらうべく、解説や紹介記事を発信しています。

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